2009年5月11日月曜日

長沢伸也「ルイ・ヴィトンの法則」【菱木康貴】

【概要】
ルイ・ヴィトンの真髄がフレームワークである4Pを通して
、記されている。また、ブランドそのものにおける法則に
関しての記述もあった。様々な側面から示されているブ
ランドに関する示唆に富んだ意見が得られる。

【感想】
ルイ・ヴィトンはそもそもコンシューマの間で高級
ブランド足り得る地位にいるのだろうか。
これは、この本を読むまで自分の感ルイ・ヴィトン
に抱いていた感情である。大学において、駅にお
いて、道において、辺りを見回せばヴィトンのバック
を見かけることはとても多かった。
学生から大人まで誰もが持っているヴィトンのバックは
価値の高い高級「ブランド」とは言えないだろう。多くの
消費者に遍くその商品が伝わり、気軽に購入され、携帯
された時点で高級ブランドの地位からは滑落してしまった
であろうと。
しかし、本書を読んで高級ブランドとはそのような考えのもと
にはないことを理解した。ルイ・ヴィトンの場合は、洗練された
職人が製品を丹念に作り上げていることや、プロモーションに
おいてテレビ広告を打たない、セールスにおいてもバーゲンの
実施がない。このような個々の取組みが、長い期間をかけて高級
ブランドの確固たる位置づけに貢献したのだ。強いては、消費者
の性格が変化しても、頑固に製品の、強いては会社の軸にある
conceptを変えることなく脈々と受け継いでいく行為そのものに
ブランドのブランドなる所以があるのかもしれない。

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