2009年5月12日火曜日

夏野剛著「ケータイの未来」を読んで

夏野剛著「ケータイの未来」(2006年、ダイヤモンド社)
2009年5月12日読了

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 ケータイの進化はめまぐるしい。私が始めて自分専用のケータイを手にしたのは2001年のことだった。そのときのケータイは、今のように軽くは無いし、画面も小さく、メール機能も充実しておらず、カメラもついていなかった。当然のごとく、インターネットなどは使えない。緊急用にとりあえず持っているといった感じだった。それから8年。ケータイは、もはや「電話」から逸脱したスタイルになりつつある。デジカメ顔負けの画質を持つ内蔵カメラ、赤外線通信、インターネット、ワンセグ・・・etc.私は時折わからなくなる。「今私が持っているこれは、一体何なのだろうか?」

 本書は、ケータイの進化を時代ごとに追いながら、その将来のビジネスモデルを提唱している。筆者は、「iモード時代は終わった」と提唱し、次世代のケータイにはクレジット機能やID機能などが組み込まれるべきだとしている。人々のライフスタイルにより密着し、最終的にはその様相を変えてしまうような新しいケータイの時代。いわば、ケータイ2.0時代とでも言うべきものだろうか。
 本書の示している新しいケータイの時代はまさに「今」始まっていると思う。今やケータイには様々なアプリケーション機能がついており、それらを用いることで天気情報のチェックや外部SNS、ブログへの書き込み、書籍を読むこともできる。ケータイ以前のライフスタイルと現在のそれは大きく異なり始めていると考えられる。ただ問題なのは、ケータイがあまりに多機能化しており、「人々(ユーザー)にとって必要のないもの」さえその中に組み込まれてしまっていることだ。実際、私も、書籍アプリは使用していない。
 今後必要とされるのは、一人一人のユーザーの要望に応えた上での機能の搭載ではないだろうか。余分な機能は極力省いた上でユーザーに売り、必要な機能を後で買ってもらうというやり方が主流となればよいと思う。またこれは少し余談になるが、未来のケータイは「電話」らしい形にこだわらずに、いっそのこと全く違う形にしてしまうのも面白いのではないか。たとえば・・

http://www.nttdocomo.co.jp/corporate/kids/history/feature/ring/

 NTTドコモのキッズページ(子供向けのホームページ)より抜粋。指輪型のケータイ。おしゃれで、かさばらなくて、簡単に電話ができちゃう。現在開発進行中のこのYubi-wa。(※)しかしメール機能がなさそうなのが難点・・。需要があるかどうかはわからないが、ドラえもんに出てくるひみつ道具の一つのようで何だかどきどきしてしまう。ケータイの未来。ますます目が離せない。


※2005年に開催されたCEATEC JAPAN 2005で既に参考出展済らしいです。実用化の夢はかなうのか?!
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20051004/222192/ 

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