2009年5月12日火曜日

マッキンゼー組織の進化

マッキンゼー組織の進化 平野正雄

 コンサルティング会社マッキンゼーの日本支社長による組織が進化していくための提案が主な内容だ。最も有効な企業戦略とは組織能力を高めること、という立場から、組織の在り方と個人の意識と行動の関係を論じていく。 

 ある一つの統一された効率的な方法でもって全てを司る企業がよい組織を持っているのではない。進化できる組織とは、柔軟な対応ができる組織である。このことはよく耳にすることだが、今まで具体的なイメージがわかなかった。本書は具体的な柔軟さが示されている点でとてもわかりやすかったと思う。まず、雇用形態は各セクションの「人」のタイプによって変えること。その人が持つタレントが最もよく発揮されるような雇用形態にする。また、企業の組織はその中の誰もが企業家になれる「場」を常に提供していること。そのようにして個人が創造的になることでその組織は活性化される。そして部門横断的であること。常にビジネスチャンスを覗い、経営資源や機会を部門を超えてコーディネートできる環境である必要がある。
 企業競争力がモノからビジネスモデルにシフトした現在、開くところは開き、破壊するところは破壊し、協力するところは協力する。時と場合に合わせて柔軟に、また従来の方式にこだわらずに流動的であることが企業の成長につながるのだ、と思った。これまでに読んだ本にもあったが、やはりその場合「人」が一番のカギなのかもしれない。個人が有能であれば・・・とどの本にもある気がする。

0 件のコメント:

コメントを投稿