2009年5月17日日曜日

【書評】渋谷で働く社長の告白【池亀】

若くしてサイバーエージェントの代表取締役社長をつとめる藤田氏。その大きな成功を考えれば、学生時代からそれまでの彼の人生もきっと華々しものだったろう、と私は思っていた。しかし本書を読み進めていくうちに、彼にも他の人と同じように苦悩と失敗があり、また、彼の成功が決して彼の『才能』だけによるものでないことが分かった。
私はその成功の秘訣を、藤田氏の『向上心』と『柔軟性』、『実行力』にあるのではないかと思う。まず『向上心』は、起業しようという夢を抱き上京した彼の、起業前にインテリジェンスで勤めていた頃の姿勢にも現われている。インテリジェンスという会社を、彼は社員でありながら、常に将来起業して社長になった時のことを考えて会社と接していたそうだ。さらに、そこでの忙しい仕事を自分の将来に対する先行投資とポジティブに考えていたところにも、成長へ強い意思が見て取れる。また、『柔軟性』というのは藤田氏の成功の最大の秘訣だと思うのだが、彼は諸局面で登場するキーパーソンの言葉を素直に聞き入れ、また良いところは積極的に吸収してきている。もちろんこれは単に他人の言うことを鵜呑みするというわけではない。しかし、信頼できる人に言われて自分も納得できたことは、時には素直に受け入れることも必要だということだ。さいごに『実行力』。藤田氏は、企業するという夢をかなえるため実際に行動し、また企業後も自社独自のサービスを考案し、それを展開し成功してきた。ベンチャー企業では特に、まずは行動、理由はあとからつけるというくらい、決断の早さと、この『実行力』といものが重要なようだ。

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