2009年5月21日木曜日

【書評】気の力【村山】

気の力(センス)の重要性を説いた一冊。

本書では、気の力(センス)とは、場の空気を的確に読んで働きかける力のことであるとしている。そして、このように空気を読むには、相手の表情のかすかな変化を感じる力、「兆し」を捉える力が必要であるとしている。例えば、友人が真剣な顔をして、おそらく真面目な話をしている所にふざけた調子で話しかけに行けば嫌な顔をされるのは言うまでもない。極端な例かもしれないが、「場の空気を読む」とはそういうことである。そして、筆者は、この場の流れを読むためには、空間感知力と文脈力の二つが必要であると言い換えている。その場の気の流れを感じられるレスポンスのいい身体(空間感知力)と、そこで感じたものを文脈に当てはめる(文脈力)がセットになったとき、初めて気の力を駆使したといえるのだ。この部分は個人的にとても共感できた。たとえ、場の空気を読むことができ、周囲に不快感を与えることが無いにしても、その上で自分の気持ちを場に見合った形で表現できなければ、結局は、気のセンスがあるとは言えないからである。

また、筆者は空気を入れ換えることの重要性も指摘している。例えば、同じ議論がずっと続くと集中力が途切れるときがある。そんな時は空気を入れ換える必要がある。空気の入れ換え方には、文字通り換気などで空気の循環を変えたり、伸びなどをして体の状態を変えるなどの方法がある。気とは人間の体から発せられるものなので、空気を入れ換えることで体の状態を変えられるという考え方である。つまり、こう着状態に陥った体の状態を変えるための空気の入れ換えである。

この本は自分の経験則から理解できる内容が多かったので割と読みやすいと思います。

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