自分が通う大学の創始者でありながら、私は福沢諭吉についてあまり知らない。この本を読んでいると、そんな私を見かねた福沢諭吉が説教をしてくれているよう感じる。しかもその説教、これから社会に出ようという大学生の私にぴったりだからすごい。さすが教育者、彼の生き方から得ることのできる教訓は大変価値あるものである。学ぶということを中心に、特に心に残ったものをいくつかあげたい。
・人生ぐずぐず悩むくらいなら勉強する
・「学び続けている自分への自負」こそが、独立自尊の心を生む
・勉強は、自力で徹底してやるもの
・人生は、変化を求めて脱出を繰り返してデザインしていくもの
これらはすべてつながっているように思える。人生をデザインするならば当然そこには自身による決断がつきもので、しかしそのためには判断材料となる選択肢が必要である。その選択肢というのは、自分が学んできたことや実際の経験がもとであり、学んできたこと、経験してきたことが多ければ多いほど、自分の決断に責任と自信をもつことができる。このように「学び」は、より良い人生を過ごすための重要なサイクルの一部であり、福沢諭吉の掲げる独立自尊の心は、それによって培われるのだろう。本書を通じて、さんざん耳にしてきた独立自尊という言葉がようやく少し理解できたような気がする。
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