ヒトデとクモで組織論。ヒトデのような頭のない分権組織と、クモのように頭が足を支配する集権組織。はたしてどちらが強いのか。2つの対立を、音楽業界や現代国際情勢などにあてはめてわかりやすく説明している。アルカイダVSアメリカの図は特におもしろくそれが海賊版のいたちごっこと同じ組織図をしている、というのに思わず手を打ってしまった。
組織のリーダーとしての在り方も一所属メンバーとしての在り方も考えさせられる。ヒトデのような分権組織では、上からの強制がない代わりに個々人の責任が生まれるのだ。それに、メンバーそれぞれが信頼し合っていないと上手く機能しない。
ウィキペディアなどの非営利組織が、なぜ利益をあげようとしないのだろうと今まで疑問だった。だが、分権組織をもってスペインに勝利したアパッチ族も特権を与えられてあっさり崩壊したように、利益が絡んでくると信頼がうまく機能しなくなってしまうのだ。
サークルやアルバイトなど、自分の所属する組織はどちらのタイプで、抱えている問題は2つのどの面を取り入れたら改善されるのか。それを考えながら読むと、いろいろ見えてくるものがあった。もっとボトムアップの形を整えるべきであることとか、互いにもっと信頼が必要だとか。
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