先週担当の分三つアップです。遅くなって申し訳ありません!!
「ブランド 価値の創造」著・石井淳蔵
はっきり言って、あまり釈然としない本だった。「ブランド」とは、つかみ所のない、定義しずらいものである。それをこの本が論理的に定義づけて分析してくれるのだろうと期待して読むと、当てが外れることになる。この本は読み進めるほど、「ブランドとはわからないものだ」ということがわかっていく本だからである。自分で成功するブランドを作りたくて、そのhow toを求めてこの本を読むと、肩透かしをくらうことでろう。ブランドの特徴を述べることはできる。ブランドとは、企業だけが作るものでも、消費者の欲望だけで作られるものでもない。ブランドは、製品に由来しているから空想の共同体ではない。ブランドは、拡張することによって成功もするし、衰退も呼ぶ。「じゃあブランドってなんなんだ」、その答えは結局説明がつかない。この本を読むと感じる釈然としなさは、そのままブランドそのものにあてはまるものだろう。
「○○のあたらしい味出てる。このシリーズ美味しいし買ってみよう。」「○○ブランドのならきっといいものね。」ブランドとは、人から「個々を注意深く判断する」ことを捨てさせる魔法の機能であると思う。企業がブランドを作りたがるのも納得がいく。製品の質がなくても消費者に自社の製品を選ばせることが可能だからだ。(やりすぎるとブランド価値は下がるが。)どうやったらその誤認は起こるか?それは消費者にそのブランドへの愛情と信用を持たせることだ。そのためには広告が有効だろう。特にたくさんの広告を流すことは重要だ。「これはまわりで流行っている。みんながこのブランドに愛情を持っている」という理由で自分もそのブランドに愛情を注ぐ消費者もいるからだ。
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