2009年5月14日木曜日

ハイコンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代

 著:ダニエル・ピンク 訳:大前研一

  情報化社会、オートメーション化、アジアの進出の波の中、人々は物事を論理的に考えたり、効率化したり分析するという左脳的な能力を重視してきた。しかしこれらの能力は代替可能である。事実、さまざまな分析や情報収集において人間はコンピューターに足も及ばないし、IT産業においても現在はインドなどの発展途上国が勢力を増してきている。今自分がしている仕事は自分以外の人がもっと安く早くできる、かもしれないのである。
 そんな左脳主導主義の限界の中、「右脳の可能性」という新たな光が現れた。直観、芸術、全体の統一、共感、遊び心、意義、創意、関係性、などハイコンセプトやハイタッチと言われるもの。かつては軽視される傾向にあった右脳の能力が見直されはじめ、右脳はの人間がこれからは成功するのではないか、といわれている。ハイコンセプトやハイタッチな能力をつけるために磨くべき6つの感性が本書には説明されている。

 グローバルな情報化社会で私たちが焦りや行き詰まりを感じるのは左脳主導的な考え方に固執しているからではないだろうか。ただこのような時代を憂いたり、批判ばかりしているのではなく、このような時代であからこそこれから必要とされていく能力について考えることが重要だと思った。その能力の一つが、右脳的能力であると示されている点が興味深い。今回回ってきた3冊の中で、組織論やキャリアについての話があったが、関係性や個人の独自の能力や柔軟性を評価する傾向があった。現在はこのような流れがあるのだ、と薄々感じていたが、それを総括して右脳の力としているところがなるほどな、と思えた。
今回はあまり隅々まで読めなかったのでぜひもう一度じっくり読んでみたいと思う。

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