ハリウッドという特殊な場所、ビジネスモデルを解説した本である。利益の構造や制作のシステムなどハリウッドに関する知識を広範にカバーしたものになっている。
ハリウッドは日本の映画に比べ、非常にスケールが大きく、多額の制作費をかけるイメージがある。実際にタイタニックなどは約240億円の巨額の制作費が使われている。しかし、ハリウッドも巨額な制作費、有名な俳優を使えば、観客が入り、収益も得られるという事態ではなくなっている。My big fat greek weddingは少額の制作費で多大な収益を得、かつ賞も受賞するということを成し遂げた。これはハリウッドの堕落しつつあったコンテンツをもう一度よみがえらせることになるかもしれない作品である。創造性しだいで、少ないリソースから多大な価値を生み出すことの証明になったからだ。
今日では、DVDやインターネットなど新しいメディアが登場し、コンテンツの2次3次利用の機会が増え、収益を得るための手段は増えている。クリエイターの創造性次第で少ない資金でさらなる収益を得る可能性は高まっているのだ。これは、大規模なスタジオが独占してきた市場で小規模なスタジオが競争できる環境ができつつあることを意味する。今後競争が激化し、衰退しつつあったハリウッドの映像コンテンツの質が向上していくかもしれない。
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