2009年5月30日土曜日

【書評】スティーブ・ジョブズ「超」仕事力【池亀】

『スティーブ・ジョブズ「超」仕事力』/ 竹内 一正

カリスマ経営者スティーブ・ジョブズの、アップル起業時から現在に至るまでの輝かしい成功の数々とそれと同じくらい多くの失敗談が分析され、紹介されている。それらを読むと、彼の成功がその才能だけによるものではなく、その裏にはさまざま苦労や自他に対する厳しさが隠されていることが分かるし、また、そこからカリスマならぬ一般の人々が学べることも多い。特に印象に残ったのが、ジョブズが仕事のもっともベースにおくことは、自分が心から欲しいと思うものを製品として具体化することであるという。実際多くの人がそうは思っていても、コストや技術、トレンド、常識に縛られて、実行できないことが多いのではないかと思う。彼にはそれを徹底的に追求する粘り強さがあるのだ。

それでもやはりカリスマにしかできないことだと思ったのが、自分自身を消費者代表として絶対の基準軸に置き、さらに自分だけでなく社員に対しも断固とした完璧主義を通すその強引なまでの手法の下で、クリエイティヴな製品が生み出され続けていることだ。社員の創造性を潰さずに叱咤激励する術だったり、新しいアイデアと自分の価値判断とのバンランス感覚は、他の人にはまねできないだろうと思った。

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