本書はマッキンゼーがクライアント会社の経営陣に向けて発行している経営論文集を抜粋して作ったもので、読んだ印象としてはハーバード・ビジネス・レビューの様に色々な立場、色々な組織の枠で経営を語っています。具体的な企業の例も多く、参考になります。(やや概念的なものに終始する論文もありますが)
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企業は硬直化していく。これは従来の企業体系では避けられないことだ。この事は「イノベーションのジレンマ」など多くの本で取り上げられてきた。硬直化の末に待ち受けるは衰退であり、競争における敗北である。硬直化を避け、絶えずイノベーションを起こすにはどうすれば良いか。それは常に変化し続け、存在し続ける経済システム;「市場」を上手く組織の中に組み込み、飼いならすべきである。
そのためには社内におけるプロジェクトチームの単位を少人数にすることや、組織内にベンチャーキャピタルを導入し、組織外と同等にプロジェクトを評価するシステムを組み込むことなどが必要とされる。それだけではなく、1つの企業/組織としてのビジョン、目標を掲げ、分散を防ぎ、意思を統率していく事も大事だ。更には資源分配を司る経営陣と末端の組織内ベンチャーを、あるいは組織内ベンチャー同士をつなぐカタリスト(触媒)になるような人物がいるべきである。これは上下の意見の風通しを良くし、組織全体に大局的なものの見方を与えるだけでなく、情報の取引コスト等を抑えるためである。
組織の中にいかに市場を飼いならすかが鍵になる。そのためには市場自体の特性をつかんでおかなければと感じた。
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