2009年5月27日水曜日

【書評】プレミアム戦略【竹内】

プレミアム戦略

筆者はプレミアムを機能的価値と情緒的価値など対価を払ってでも手に入れたい価値と定義している。また、プレミアム市場は経済的な豊かさと消費者の欲望の質にという2つの条件から発生するという。これらの条件は日本に非常によく適応し、実際このプレミアム戦略は最近よく用いられている。

おそらく、プレミアムな商品を買う人は情緒的な価値に魅せられて高い金額を支払い、プレミアムな商品を購入しているのではないか。なぜなら、消費者は「こだわるもの」と「こだわらないもの」を区別して、消費活動を行っているため、機能よりもブランドなど情緒的な部分を重視しているように思えた。よって、このプレミアム戦略はどんな商品にも用いられるような戦略ではないだろう。車、食品などある種のこだわる人が集まりやすい商品に限られると思う。
日本は今後のこのプレミアム市場で優位に立つことが求められるだろう。いまの日本は中級クラスのブランドが強いが、途上国の技術レベルの向上を見ると、いづれ中級クラスの市場は人件費の安い途上国にとられてしまう。より付加価値のついたプレミアム市場で優位に立たなければ、日本企業は生き残れなくなるだろう。上手くブランドを育成し、情緒的価値を付加価値として引き出し、高収益の望めるプレミアム市場での強みを育てるべきだろう。

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