小泉純一郎政権時代に、竹中平蔵大臣の側近(補佐官・秘書官)として不良債権処理や郵政民営化などの構造改革の政策立案、実行に携わったという著者の様々な経験談を通して、日本の21世紀を担う若い世代に対して、「生き方」の秘訣を提言している本。具体的な政策立案の手法や政策の内容に関する本というわけではなく、どちらかというと自己啓発系の本の類に入るのではなかと思った。
著者は、今の若い世代(20~40台)や民間企業や官僚には「正しい問題意識を持っていても、それを行動に繋げられない人」、つまり、志は高くても実際に行動を起こす人が極めて少ないという現状を指摘する。さらに、人口減少・少子高齢化などの波が押し寄せてきている状況で、このまま経済が悪化したり国力が衰退した際にその悪影響をもっとも直接的に受けるのは、既得権でおいしい思いをしている権威主義的な年寄りではなく、若者であるという事を危惧し、若い世代が「夢を見ながら(夢を描きながら)、耕す(努力する)」人となる事の必要性、そのための意識や行動の改善を訴えている。
本文中では、構造改革時の政策実行のエピソードや、沖縄県での芸能ビジネスプロディースの経験を交えながら、様々な「生き方」の秘訣が提示されているが、中でも印象深かったのは、「権威や肩書きや前例を信用しない」という事と「カッコ良さを貫く」という事。「権威をん要しない」というのは、マスメディアだけでなく世間一般的に「権威」と言われるようなものの利益誘導を疑い、情報を自身で分析することで自分の正論を貫くという事。「カッコ良さ」とは、外見のスタイリングの話ではなく、「ブレない信念」を持ち潔く優しく生きるという事。「カッコ良い」人間のエピソードとして竹中平蔵氏や小泉純一郎氏の話が用いられていたのも印象深かった。
常に夢を持ちながら、地道な努力を惜しまないカッコいい人間になれるよう精進したい。
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