2009年5月31日日曜日

【書評】日本のポップパワー【金光】

日本のポップパワー 中村伊知哉 小野打恵

 今、日本のポップパワーがこれだけ世界から注目を浴びていて、芸術面では日本ではなく欧米が評価基準を作ってきた、でもこの分野では日本が評価基準を作れるかもしれないというのに、日本は対応しきれいていない。とあった。よく似た内容は、『フランスに学ぶ国家ブランド』でも、ここではポップではなく日本の伝統文化についてだったが書かれていた。その時はふうん、素早く対応しないともったいないなぁと思っただけだったが、この本を読んで「何が日本のものなのか、世界を知らないとわからない!!」と思った。(53p)自分たちにとって当然だと、それがウリになるのかも判断できない。韓国合宿で使えそうな視点だと思った。
 pop=popularから来ていることは知らなかった。私はギャル文字は使ったことがないし、読めないけれど(あいうえおを意味なく小文字で書くのも嫌いです)、行動範囲が広がった中学時代からすでに携帯でのメールは日常で、すぐにいつでも連絡をとれる環境だった。待ち合わせのときに無駄な待ちぼうけをした経験はない女子高生というのは納得した。(75p)
 さらにプリクラ、カラオケも中高時代の放課後寄り道コースの定番だった。アイドル気分になれるから、ではなくて、プリクラは記録になるしカラオケはストレス発散になるからという理由で利用していたが、自分では全くそうとは気付かないうちに、ポップカルチャーの作り手になっていたのかもしれない。
 アニメはマンガから始まると、テレビ放映や映画・DVD化、さらにゲームに使用されたりとひとつの作品で何度でも「おいしい」(101p)というのが、注目に値する理由になると思った。また、これらのマンガ・アニメは単なるエンターテイメントにとどまらず、コスプレやコミケなど国境・言葉・宗教を超えて共有・共感を生むムーブメントとなっている。(64p)
 日本人は表現が下手で、みんなに合わせる姿勢だ、とゼミでのcreative environmentの話のときにも出たが、言語コミュニケーションは下手でも、これから画像や動画で情報発信可能なネット時代では日本は挽回できるかもしれない!(205p)もちろん言語コミュニケーションの上達は目指すべきだが、先は暗くないと思った。

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