2009年5月15日金曜日

フランスに学ぶ国家ブランド/平林博

フランスに学ぶ国家ブランド/平林博

フランス語選択でにわかフランス好きの私は、この本がおもしろくてたまらなかった。フランスの持つ「国家ブランド」がいかに形成されているのか、ということが筆者の大使生活の中の実話を交えながら述べられている。フランスの街や建物の描写が
フランスが大切にする「理念」と「大義」はフランスの国際社会への関わり方に大きなインパクトを与える。文化、とりわけ言語を非常に大切に扱う姿勢はフランス人の自国に対する誇りを表している。もちろんフランスがすべて上手くいっているわけではないが、自国への自信が国に大きなブランド力を与えるのだ。
日本も一貫した強い理念と、他国におもねるだけではない大義を持って欲しいと思ってしまった。私自身日本という国が好きで、文化力のエネルギーはまだまだ伸びしろがあると思っている。文化の持つブランド力にもっと国は重点を置くべきではなかろうか。といっても現実は予算の面で難しいのだろうか?
はずかしながら、私は世界史、特に現代世界史に疎い。この本に書かれている過去の出来事や人物もまったく知らないものが少なくなかった。フランスの大統領はシラク氏とサルコジ氏しか知らなかった。それを知ることができたという意味でもこの本は有意義であった。

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