古田興司著「オーバーアチーブ-組織力を高める最強の人材」(2007年、東洋経済新聞社)
2009年5月16日読了
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仕事ができて、上司からも部下からも同期からも信頼され、それを自慢することなく、会社全体を引っ張っていく力を持つスーパー・ビジネスマン。本書ではハイ・パフォーマーと呼ばれているが、はたしてそんな人間になれるのか?その能力が先天的で無いとすれば、誰しもがハイ・パフォーマーとなることは可能なはずだ。筆者は断言している。ハイ・パフォーマーとなることはけして夢物語ではない、と。また、ハイ・パフォーマーを育て上げることもまた不可能ではない、と。先に言っておきたい。本書は間違いなく良書である。私が今まで読んだ自己啓発本の中でも最高位だ。私の友人には短期大学や専門学校を卒業し、この4月から働いている人が多いが、彼ら彼女らに是非この本を読ませたいと思った。
ハイ・パフォーマーに必要とされる要件は3つある。「気概」「着眼・解の導出力」「チームへの影響力」-つまり、「組織の中で働きながら、仕事の質とスピードを追求し、他者からの期待を超える結果を出すことにこだわり、チーム全体を牽引し、その組織力を高める人材がハイ・パフォーマーなのだ。ではそのような人間になるためにはどうすればいいか?以下は私が印象に残ったキーワードを挙げていきたい。
「気概」を育てるために-周囲と自分を比較しないこと
「あの人はあんなに休んでいるのに、なんで自分だけ・・」私は学生生活を送りながらたびたびこのような思いを抱く。同じ試験を受けて合格したはずの同期の友人が、アルバイトや趣味に明け暮れているのを見ると羨ましくなってしまうのだ。私は日々ゼミの課題や授業のレポートに追われて休む暇も無いというのに!「あの人が休んでいるんだから自分だって休んで良いじゃないか」このように自分に言い訳をして、やらなければいけない仕事から目を背けることも多々ある。しかしこれは単なる逃げの姿勢に過ぎないのだ。「気概」とは、「何があってもやりぬくぞ」という心意気のことだという。けして逃げようとしない強い意志がそれには必要となる。今後は気をつけなければならないと思った。
「キャリア・プラン」作成のポイント-過去を否定しない
過去を否定したくなる時、「何であの時ああしなかったんだろう・・」と後悔してしまう時は多い。事実、昨年の私は後悔してばかりいた。社会学を専攻したことも、メディアコムのゼミの選択に対しても、何だか自分が「間違った」選択をしたような気がして常にモヤモヤした気分を抱えていた。しかしこうしたマイナスの姿勢は、キャリア・プラン-将来に向けての自分の方向性をきめる際には必要ない。「過去と他人は変えられない」という言葉が示すとおり、いくら後悔したって終わってしまったことは仕方ないのだ。後悔している暇があったら前を向こう!
「時間活用」工夫のススメ
「1日24時間じゃ足りない!!!」そう叫びたくなる時が何度あっただろう?私は常に何かに追われている。睡眠時間を削っても食事を抜いても終わらないタスクがある時、本当に滅入ってしまう。しかし、ふと思う。「・・・ひょっとして、容量が悪いのかもしれない」-事実そのとおりだった。私は容量が悪い。時間の使い方が良くなかったのだ。本書では時間活用のススメが記されているが、中でも印象に残ったのは「To Doリストの作成」だ。やらなければならないことを全て書き記すのではなく、優先順位を★印で付けておくことが明記されている。早速実践してみようと思った。
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