2009年5月16日土曜日

【書評】ブランド‐価値の創造【戸高】

石井淳蔵著『ブランド‐価値の創造』

 感想としては果てしなくつまんなかった、と思いきやAmazonでのレビュー評価がよかったのでショックだった。
 内容はさておき、書き方がつまらない、全然引き寄せられるものがない。教科書を延々と読んでいっている感じだろうか。文学部社会学専攻の方はわかるかもしれないが、『現代社会心理学』とか『イノベーション普及過程論』とかを読まされている感じ(内輪ネタ)。
 具体例はそこそこおもしろく、興味が惹かれるものがいくつかはあった、例をあげるならば、「無印良品」は雑多な商品を扱っており、「無印良品」が「無印良品」たることができるのは「無印良品」という名前だけである。だからこそ「無印良品」独自の意味世界を構築することができるといった考えを、風船に例え、存在するときはその場を占めるが、それに代わるものはない。しかしそれが存在しなくなればその存在に思いをはせることができないといった、一種の哲学的な考えだろうか。

 歴史があり、伝統的なブランドは置いといて、昨今の新しいブランドは人々の生活価値にいかに密接した関係を持っているかがカギになってきているのではなかろうか。
 たとえば著書の中にあったように、コカコーラの広告スタイルも、初めはその味や、また当初の医薬品としての性質など、その製品がどのようなものであるかといった説明がましい広告が主流だったものの、近年の広告を見ると、コカコーラという商品を通してどのような価値が消費者に提供されるかといったものになっている。
 それは他のソフトドリンク飲料の新製品開発を見てもわかるだろう。健康を気にする人が多くなってきているために、従来のお茶からヘルシア緑茶、黒ウーロン茶。野菜や健康に気を使う人が多く、さらには運動も楽しみたいという人のためのスポベジなど。消費者のライフスタイルに密接した商品が多くなっている。
 星の数ほどたくさんの新製品が毎年開発されては消えていく時代である。いかにして消費者が求める生活価値にアプローチしていくかが大切であろう。

0 件のコメント:

コメントを投稿