2009年5月23日土曜日

【書評】フランスに学ぶ国家ブランド 【金光】

『フランスに学ぶ国家ブランド』  平林 博

フランスの大使館で外交官として働いていた著者の、フランスの紹介と日本との対比が書かれた本。
私はあまりフランスに興味がなく細かい知識もなかったため、読みながら出てくる固有名詞などに閉口してしまった。

フランスが持つ「なんとなく高級感がある、おフランスなイメージ」は努力によって作られ、今も保存されているものであることは知らなかった。他の本でも読んだが、日本はせっかく積み重ねてきた豊かな文化があるのにそれを活かしきれていないのは否めないと思う。島国だからこのありがたみに慣れているのかもしれない。私自身も、日本の寺社や古都の町並みは好きだが、行ったこともないフランスのシャンゼリゼやパリの凱旋門にあこがれを抱いてしまうのも事実だ。
フランスでは、日本の武道に対して関心が集まっているとあった。フランス人といつか弓をひいてみたいと思った。せっかく興味を持ってくれているものへ、こちらからもっと働きかけができればと思う。

一番興味があったのは、フランスが少子化対策に成功していることだ。日本がわずか1.32の出生率なのに対し、フランスは2.0超えである。その背景には子持ち家庭への手厚い保護、出産育児休暇への周囲の理解はもちろん職場復帰は保障されていたり、3人以上の子供を持つ家庭は国鉄の料金を割り引くなど、幅広く寛大な補助金、政策がとられている。女性が働きやすい社会づくりは、出生率upに不可欠である。勝間和代氏の講演会を聞いたばかりということもあるが、日本で生活するなら、私たち女性はまず自分で生き残るすべを身につけた方が懸命かなと思った。  

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