グッドデザインカンパニーの仕事/水野学
グッドデザインカンパニー代表、アートディレクターの水野学さんの本。グッドデザインカンパニーの始動以来10年間の仕事とそこに秘められたこだわりをひもときながら、水野さんのモノに対する姿勢を語っていく。
大局と詳細の両方を丁寧に見ることが大事なのだと感じた。
プロダクトひとつひとつ、ロゴのデザインひとつひとつ、で見るのではなく、プロダクトがどう人に伝わっていくのか、その過程全体を見ていくこと。プロダクト単体ではなく、ブランド全体のイメージをどう構成していくかをしっかり見据えて設計すること。そしてブランドのイメージを正確に表現するために、細かいディティールにまで気をめぐらすこと。
全体と部分、両方に凝るためには、一貫したコンセプトが必要になる。なんとなくかっこいいから、とかおもしろいと思ったから作るのではなくて、しっかりとしたコンセプトを持った上での設計が、ブランドイメージを確立させる。
ならば、コンセプトはどうやって定めていくのか。
「なぜ?」を突き詰めることだ。どうしてそれが必要なのか、それがもたらすものは何なのか、考えることは自分の感性も磨いていく。
ブランディングとは、人に対して、どのような感触を与えられるかを考えることだと思う。プロダクトの効用を越えて、そのブランドしか与えられない体験を作り上げることだ。それがコンピューターには出来ない、熟考と感性勝負の世界ではないだろうか。
水野さん、そしてグッドデザインカンパニーの目標は「よりよくすること」だという。
よりよい人の生活をプレゼントするために、作る側は何が出来るのだろうか。それを学ぶことが出来たように思った。
2010年1月5日火曜日
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