2009年12月19日土曜日

【ホンヨミ!1218①】出版再生へのシナリオ【斉藤】

 論文の執筆に際して、参考にした本の一つ。以前に一度軽く読んだが、再度読み返してみた。

 本書は、出版業界の様々な立場の人が集って、今後の出版業界の行方についてのシンポジウムの議事録だ。興味深かった点は、出版業業界のそれぞれ立場の違う人間が話し合うわけであるから、互いに批判を含め、どう思っているかを真剣に述べ合っていた点だ。出版業界はそれひとつの仕組みとしてとらえられがちであるが、その中には数多くの部品があるわけで、それらが一体となって機能していくためには、互いに批判精神を持って、どの部品が不必要なのか、またどこがうまくかみ合っていないのか、を常に考えなければいけない。既存の流通体系を維持しようという力が働いて、何か問題があってもなるべく見過ごすようにしてきたのが今までの出版業界だと思う。それはやはり書籍の電子化の波のせいだが、この期に、それこそ出版業界版の事業仕分けでもやったほうがいいのではないかと思う。何をやめて、何を利用し、どこと組むか。そんな選択を出版社は強いられているのだと思う。その選択肢の考えられる一つを、論文で示したつもりだ。

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