2009年12月5日土曜日

【ホンヨミ!1204③】プロフェッショナル~仕事の流儀~・井上雄彦【村山】

①手に負えないことをやる
②みな、生きている

大人気漫画「スラムダンク」の原作者である漫画作家・井上雄彦氏がNHKの番組「プロフェッショナル~仕事の流儀~」に出演した時の彼の発言である。
これらの言葉の真意を順に見ていくと、①は、自分が現状の力でコントロール出来ると分かることをやってもつまらない、ということである。つまり、容易に実現可能なことばかりに目を向けるのではなく、【常に挑戦し続けろ】ということであろう。
②は、自分が描くキャラクターが作品の中でそのキャラクターの言葉をしゃべっているかどうか、ということ。だから、そのキャラクターがしない様なことは絶対にしない。キャラクターは作品の中で生きてるから、そういうことをすると死んでしまう。そのキャラクターがどうしたいかを考えた上で、そのキャラが望まないことをさせると、もうそいつはそいつでなくなる。つまり、井上さんは「自分がそのキャラを、ストーリーをどうしたいか」ではなく、「そのキャラが何を望み、どのような感情を抱いて、どう行動したいのか」を想像(キャラに問いかけたり)して、キャラの気持ちを優先して漫画を描いているのである。自分目線ではなくて、作中のキャラクター目線で。この考え方は漫画だけでなく、色んなことに通用する思考だと思う。
また、彼の発言で印象的だったのは、「人は弱い」という言葉である。何かやろうとする時、自分の家や、自分のスペースでは甘えてしまう。だから、外に出て時間を決めてその中でやると決めてしまう。漫画を通して多くの日本人に影響を与えてきた様な人間が、このように簡単に自分の弱さを認められることには敬服した。『弱い人間は、自分を弱いとは言わない』という、信念が私の中にあるからである。
最後に、井上さんにとってのプロフェッショナルとは

【これがなくなったらプロをやめなきゃって思ってる。つまり日々成長し、向上し続ける人。】

彼になることは出来ないが、自分も彼のように、日々、向上し続けるという、その気持ちだけは維持していきたいと思う。

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