芸術関連の本はほとんど読んだことがなかったので非常に新鮮だった。本書を読んで印象に残った言葉がいくつかある。
①やりたいことをすることが、人間が仕事をする中で、一番強い力になる。
②ライフスタイルの中にアートを標準化する。
③分かる人には分かる、分からない人には面白いものを作れ。
①について。確かにその通りだと思う。自分が興味のあることをやるのだから当然かもしれないが、人間は自分のやりたいことをやっている時が最も集中していると思う。一つの目的のために行動しているため、一つのことに力を注げるので、それだけアウトプットも大きくなるし、その質も高いもののなると思う。
②について。これは、日常生活の中にアートを取り入れるということである。とは言っても難しく考える必要はなく、まずは、直感的に自分の興味のあるもの、例えば小物などを自分の部屋に置いてみる、それだけでいい。必ずしも空間に置く物体だけでなく、洋服で考えてもいい。良いと思った服を着て、イメージと違ってもう少しかっこいい服が欲しいな、という程度で構わない。そうやって色々と試行錯誤しながら自分に合ったモノを取り入れていけば良いのである。ただ、注意しなければならないのは、自分の趣味を変える必要はないということである。周りが良いと言うからといって自分にとって合ってないと思えば、それを無理に取り入れる必要はない。大事なのは、自分の感性とそれを貫く信念である。
③について。これは黒澤明監督の言葉である。映画を含む商業作品や芸術作品には、共に分かる人にしか分からない深い洞察がある。そのため、分かる人には表現の背景にある文脈を理解できるが、そうでない人には面白い作品を提供すれば、たとえ表現の背景が理解できなくても作品自体を楽しんでもらうことが出来る。そういう意味で、「分かる人には分かるが、分からない人には面白いものを作る」ことの必要性が求められているのである。
20世紀が「科学の年」ならば、21世紀は「芸術の年」らしい。そのため、単に机に向かって勉強するだけでなく、アートを鑑賞して実物に触れる必要があるのだろう。最近あんまり美術館に行けてないので、ものすごく行きたい気分になった。
2009年12月5日土曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿