2009年12月31日木曜日

【ホンヨミ!0105②】高校野球の女子マネジャーがドラッカーの マネジメント を読んだら【戸高】

岩崎夏海著『高校野球の女子マネジャーがドラッカーの マネジメント を読んだら』

 小説っちゃ小説なんですが(しかもどっちかと言うとラノベくさい)、かの有名なドラッカーの『マネジメント』入門編として良い本だと思ったので投稿します。

 野球部のマネージャーになったみなみ(ぴんくのみなみとは無関係です)が、弱小野球部を甲子園に出場させるために、文字通りチームのマネジメントをしようとする。そこで手にした書が世界で最も読まれた書の1つ、ドラッカーの『マネジメント』。

 野球部と言えど、1つの組織。組織をまとめあげる際にまずみなみが始めたのは、その組織は何なのかと定義することだった。

 「あらゆる組織において、共通のものの見方、理解、方向付け、努力を実現するには、「我々の事業は何か。何であるべきか」を定義することが不可欠である」

 「企業の目的と使命を定義する時、出発点は一つしかない。顧客である。顧客によって事業は定義される。(中略)したがって、「我々の事業は何か」との問いは、企業を外部すなわち顧客と市場の観点から見て、初めて答えることができる。」

 だいたい組織論とかの本を読む際(なんでもそうなんだけど)、どうしても代表目線で考えてしまう自分がいるのだが、ここに自分がすることができなかった「ゼミの目的」「ゼミの定義」の話を考えるヒントが隠されている。

 「ゼミの目標と構成員の目標を一致させる必要がある。」しかし、それを行うことはとても難しいことだ。事実、僕はこれを行うことができなかった。

 この本では、みなみが、各部員一人一人に「野球部に何を求めているのか」「野球部になぜ入ったのか」このことを懇切丁寧に聞く所からスタートしている。しかも、それを無理矢理聞き出すのではなく、もともと部員からの信頼が厚かった夕紀の力を借りて。

 構成員の期待するものを理解しておくことが、たしかにマネジャーには必要不可欠だろう。しかし、それはマネジャーが無理矢理聞こうとしても聞き出すことはできないのは火を見るよりも明らかだ。そのための環境作りが重要となってくる。

 マネジャーは組織の人間と深く関わりすぎず、どちらかというと気難しいような人間の方がいいそうだ。そして、マネジャーができないことは構成員に担当として割り振り、責任感を持たせ仕事を遂行させるのをよしとしている。この場合も夕紀の力を借りている所がそうだろう。

 しかし、マネジャーが孤高のカリスマ的な存在ならばそれでいいのだろうが、僕はそうなれなかった。深く人に入り込みすぎたのが反省点だ。なかなか人に頼ることができなかったことも。

 ある程度ドライに(しかし、しっかりとした関係性も失いたくはない。後に絶対につながってくるから。組織という枠の中だけで良いと思う。)、そして人に頼るべき所はしっかりとやりがいをもたせることができるように頼る。ただ頼るのではなく、相手の成長になるように。こういったことを心がけたい。

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