2009年11月12日木曜日

変われる国・日本へ

変われる国・日本へ/坂村健

なにかをする上で、一番大切なのは具体的な目標を立てて、それに向かって適切な戦略を計画することが大事なのだと思う。しかし、今の日本はその状況ではない。先の未来がどうなるのか、ドッグイヤーとも言われる現代は予測がつかない。そのような状況では目標を立ててそこに向かって一直線に進むよりも、もっと柔軟に、イノベーションが起こりやすい環境を整備することが重要だと本書は説く。
イノベーションが起こりやすい環境は、様々な組織にとって汎用性のあるユニバーサルな基盤、人々が信じて従うべき情報がオープンであること、そしてなにより、環境にいる各々がその環境が100%の保証を持つものではないというコンセンサスを持って、自己責任の下、最大限の努力をすることで成り立つ。
各人にとってベストな環境を作るのは容易いことではないし、不可能なことですらあるかもしれない。作り上げる過程で対立事項が発生することは不可避である。そのときは、良い/悪いの二元論で争うよりも2つのバランスをとる方法を議論するべきだ。
また、この予測のつかない状況に際して一番重要になるのは、これからをどうしたいか、という問題意識、今の状況を変えてやる!という強い意志であるという。環境と人材を整え、来たるべきとき備えて邁進することが大事なのだ。

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