2009年9月3日木曜日

【夏休み書評】明日の広告【宮村】

宮村です。ブログアップが遅れ、本当にすみません。

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インターネットの著しい普及・情報量の拡大(情報洪水)・成熟した市場という背景によって、消費者が「疑い深く、賢い消費者」へと変化した現代において、広告における(消費者との)コミュニケーションのデザインはいかにして変化していくべきか。この本を読みながら、2年前にメディアコムの「広告特殊講義」という授業で、当時の講師だった升野さんが、「消費者は『(情報の)ハンター』から『クリエイター」へと変化した。』と仰っていた事を思い出した。インターネットの出現によって、HunterからCreatorへ、TargetからPartnerへ、RecieverからSenderへ、Top Down型からBotton Up型へ、Push型からPull型へといった風に消費者自体も消費者を取り巻く環境も、根本から変化してしまった今日において、その変化した消費者に合わせて広告の在り方も変化しなくてはならない事が伝わってくる。

個人的に最も興味を惹かれたのは、変化した消費者を「待ち伏せる」ための7つの方法論だ。Contact Point・Media Creation・BUZZ / WOM / VIRAL・CGM・Entertainment・SEO・Media Flexible(Cross Media + Media Neutral)といったキーとなりそうな新しい概念自体も面白かったし、それ以上に、4マスに広告を打ってさえいれば良い時代ではないという事を痛切に感じてわくわくした。4マスメディアが圧倒的な影響力をもっていた従来型の広告では、使用するメディアも広告手法も決まりきっていたのに対して、今日ではもはや「テレビCMを使う事」自体はデフォルトではなく、全てのメディアを中立的な視点で眺めながら、消費者のコンタクトポイントや導線に合わせて、コミュニケーション戦略を立てて行かなければならないのだろう。

そのような時代にあっては、「コミュニケーションのデザイン」とその上に乗る「コンテンツ」の両方にクリエイティブな新しいアイデアや付加価値を生み出せなくては競争力を獲得する事ができなくなってくる。本書の言う「クレバーな仕組みの上にフールな表現をのせる」ことのできる人材こそが求められているのだと思う。

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