2009年7月9日木曜日

【ホンヨミ!】日本人のことば【大賀】

粟津則雄著「日本人のことば」(2007年、集英社新書)
2009年7月9日読了

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なんだか最近日々に潤いがない。「恋でもしたら?」母は笑いながら私にこう言うのだが、残念ながらそんなチャンスには暫く巡り合えそうにもない。なぜ私の日々には潤いが無いのだろう・・・。毎日毎日、何かしらに追われて生活をしているからかもしれない。思えば、最近、将来のことについて考えるたびに焦りが生まれてきて、読書をしていても何をしていても心ここにあらずな状況が続いていた。忙しいという文字は心を亡くすと書くらしいけど、まさにその通りだ。このままじゃいけないな。このままじゃぁ、私はきっと社会に出てから「もう一度学生になりたい」と思って後悔することになるだろう。
そこで手に取ったのがこの本だ。日本人が口にした様々な「美しいことば」を並べてあるだけの、なんだか中学時代の国語の教科書のような本。簡単に読もうと思えば読めるが、じっくり読めば奥深い。日本語は本当に美しい、と思う。英語のような「わかりやすさ」はないが、言外の意味というか、言葉が示す意味以外のものを含んでいて、なんとも言えぬ「奥ゆかしさ」がある。日本という国に生まれた私たちは、その言葉の美しさを享受し、使用していくべきだろう。
私が本書に紹介されていた言葉の中で最も印象に残ったのは「おもしろき こともなき世を おもしろく」という高杉晋作の辞世の句だ。高杉は結核を患い若くして世を去ったが、その生き方は確かに「おもしろく」、型にはまらないものだった。彼の言葉は私にとっての日々の抱負と重なる。人生は辛いことや苦しいこと
の連続だと思う。それに歎いて、愚痴を言うことは、多くの人々が行っている。だが、その人生の苦しみを「おもしろいもの」を捉えることができる人こそが、「豊かな人生」を送れるのではないだろうか。だから私は毎日笑顔でいたいし、どんなに苦境に立たされても前を向いていたいと思う。・・・と、口で言うのは簡単だが、なかなか実行には移せていない私。うーん。

 鏡の前で一日一回、笑う練習から始めてみようかな。

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