2009年6月7日日曜日

【書評】サマンサタバサ世界ブランドをつくる【戸高】

寺田和正著『サマンサタバサ世界ブランドをつくる』

 まず、個人的なことを言わしていただくと、僕は男ですがあまりサマンサタバサというブランドが好きじゃないです。そして、この本を読んでもその印象はあまり変わりませんでした。
 寺田さんは、良いブランドに含まれる4つの要素として、「良い人」「良いもの」「良い宣伝」「良い場所」という4つの要素をあげ、それを保ちながら、つまりサマンサタバサというブランドの「コーディネートに応じてバッグを持ち替える」というコンセプトは変えず、成長のための変化をしていこうと努力しているのはよくうかがうことができ、反論する気はない。
 しかし、疑問に思うのは、世界ブランド(ここでは世界のいろいろな国で同じように愛される存在)を目指し、世界一のブランドになろうという意思を持っていると、寺田さんは述べているが、どうもその世界一というものを本当に目指しているとは思えなかった。
 たとえば、ルイヴィトンでは、セカンドブランドをつくらず、徹底した商品管理や顧客サービスを貫いている。寺田さんがおっしゃているように、ブランドとは目に見えない付加価値であり、その希少性といったものが1つのポイントとなってくるだろう。
 しかし、サマンサタバサは11ものブランドを有し、そのブランドごとにコンセプトはあるものの、もはや何が何だかわからない。
 また、自分の限界を決めておらず、もっとできるはずだと向上心を常に持っているブランドであることはわかるのだが、それを自社のブランドがもっとできるというマインドではなく、どうしたらヴィトンやエルメスに勝てるのかということにはなっていない。このままでは結局は女子大生などに人気があるだけのブランドにおわってしまうのではないか。

 もちろん、寺田さんが持っている軸の強さや常に成長のために変化しようとする意志、自分の組織に関わる人すべてに対する情報開示、共有といった精神は見習うべきだとは思う。その点では有能な企業家なんだろう。

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