2009年6月5日金曜日

【書評】テレビ進化論【岸本】

 再読してやっと議論がつかめてきたような気がした。

 筆者の唱える「次のテレビ」のモデルが依然として争いを繰り広げている。最近テレビ用のインターフェースを開発したYouTubeなどの動画投稿サイトやwiiなどのゲーム機中心のプラットホーム、更にはNGNとアクトビラなどが熾烈な争いを繰り広げ、スタンダードのモデルを獲得しようと躍起になっている。既存のテレビが手にしていた「流通力」と「創造力」という2つの力をネットが奪いつつあるという現状だ。

 更に、UGC型の動画投稿サイトは自動的にユーザーが面白い動画を作り、更に互いに影響し合ったり創発しあう「生成力」ともいうべき力を持っている。この「生成力」は強力で既存のテレビを超えるポテンシャルを秘めている。現にニコニコ動画やYouTubeは違法アップロードへの規制が厳しくなってもなお人気を保っている。その上、独自のビジネスモデルを確立しつつある。(模索段階ではあるが)

 しかし、かといってすぐに現状のテレビが「次のテレビ」にとって代わるかというとそうなるとは思えない。既存のテレビからコンテンツを享受するときの手軽さや安さなどのスイッチングコストがかかるためだ。更に多くの「次のテレビ」が競争を繰り広げる中で低価格化とユーザーの細分化が進むため、よりいっそうの収益化が難しくなる。そうなると「次のテレビ」の登場はまだまだ先ではないか。とはいえ、プラットホームビジネスがこうした現状を一気にひっくり返してしまうかもしれない。

 

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