2009年5月22日金曜日

【書評】渋谷で働く社長の告白【内山】

『渋谷で働く社長の告白』藤田晋

この本を読んで、私は思わず泣いてしまった。私には大切な人を傷つけてまで、果たしたいものがあるだろうか。裏切られたという形になる著者の恩師の方の気持ちを考えると、本当に悲しくて、涙が止まらなかった。けれども「21世紀を代表する会社を作る」という目標のためなら犠牲にできる、その熱意はどこから湧いてくるのかと、羨ましくもなった。私はいつもこういうときに割り切れなくなってしまう癖がある。相手の気持ちを考えすぎて、断れない。それは優しさとは違うとわかっている。けれども、選んだからには後悔したことはない。後付けなのかもしれないが、自分が選んできた道は正しいと思える。それはつまり、人と目標を天秤にかけて、目標の方がその人との繋がりや心よりも軽かったことを意味している。私は将来、何を賭けても達成したいと思うものを見つけられるのだろうか。今の時点で、私が大切な人を裏切ってでも尊重したいと思えるのは家族である。この場でカミングアウトするのもどうかと思うのだが、私は女性の幸せは家庭にあると思っている。だったら、私がメディアコムで、金ゼミで、何がしたいのか?自分を高めたい一心でここに来て、根づいた価値観を変えるようなものが見つかるのか。それは変える必要のあるものなのか。藤田社長の生き方は、本当にかっこいいと思う。折れそうになりながら、いろんな人に支えられて、時には裏切り裏切られ、人生のどん底をみて、よじ登って、これからもずっと走っていく。それは「会社経営とは終わりなきマラソンンのよう」という言葉に象徴されている。彼の生き甲斐がそこにあるから。藤田社長の生き方を見て、私も自分の生き方を見つめなおすきっかけになった。

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