2009年5月8日金曜日

「ネット時代 10年後、新聞とテレビはこうなる」

「ネット時代 10年後、新聞とテレビはこうなる」 著・藤原治 朝日新聞社

インターネットの登場、地デジ化などによるメディアの再編について、「新聞社 破綻したビジネスモデル」(以下「新聞社~」)よりもっと俯瞰的に、新しい技術のアイディアを取り入れて書いてある本。筆者は新聞社の人間ではないため、新聞社の将来についてよりシビアに考え、対策を提示している。「押し紙」問題など新聞社についての詳しい説明は省かれ気味なので、「新聞社~」と併読するとよりわかりやすく深く考察できると思う。
 「eプラットフォーム」とは、これまで漠然と抱いていたネット上世界のイメージを上手くモデル化したものであると感じる。先日のゼミでネット内のプラットフォーム事業について学んだが、俯瞰的に見れば「インターネット」そのものもある種のプラットフォームである。インターネットは多様性のあるコンテンツを、より取引費用が少なく利用できるようにした形である。「市場を創る」によると、市民の声がより取引費用の少ない市場を実現させ、市場を進化させるとあったが、進化した市場こそがこの「eプラットフォーム」であり、時間拘束性や媒体の拘束性などで劣る新聞やテレビが、筆者のいうようにメディアからコンテンツを配信するプロバイダーに後退するというのはそう不自然なことではない気がする。NHKもオンデマンドサービスを始め、テレビは「オンエアー」ではなく、一種のパソコンになりつつあるのである。

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