2009年5月18日月曜日

【書評】プロデューサーの仕事【戸高】

小島史彦著『プロデューサーの仕事』

 自分がとある企画やプロジェクトを進めるリーダー、プロデューサーになり、異業種の専門家たちとうまくコラボレーションするためのプロデューサーとしての役割、必要とされる能力、仕事を解説している本。

 プロデューサーに重要なのは明確なビジョン(夢であり、実現可能な。しかしそれは大きければ大きいほどいい。)をしっかりと持っているか。そのビジョンに対する内容をチームの構成員がしっかりと理解し、信頼を得た上で、目標を一つにしてマネジメントできるかが肝となってくる。
 そういったビジョンを明確に立てるためには常に問題意識を持ち、物事に対して「なぜ」という姿勢を持つことが大節だ。
 また、好きこそものの上手なれという言葉があるように、自分が好きなものはとことん追求し、関連分野まで手を伸ばす。
 また、食わず嫌いでいては自分の教養が増えることはないので、苦手、嫌いな分野にも手を出し、なぜそれが嫌いなのか、また世間一般から評価されないのかという意識を持って接する。
 そうして得たたくさんの専門性、教養がプロデュースを実際行う場合に、創造性として役立ってくる。
 また、危機管理予測や、実際のプレゼンテーションスキルなどは経験を積むことによって高めることが可能である。プレゼンテーションスキルは相手に何を理解してほしいのか、またプレゼンを聞いてもらった上でどうアクションしてほしいのかといったことを念頭に置いて、常に目的意識を持ちながら行わないと意味がないだろう。

 具体例も多くあげられており、プロデューサーだけでなく、リーダーシップ論にもつながる部分が多く見受けられた。なかなかの良書だとは思う。

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