2009年5月10日日曜日

竹内、楠木「イノベーションを生み出す力」

【概要】
どのような環境において、どういった戦略のもとで、
イノベーションが発生しやすいのか。非常に分かり
にくいイノベーションの概念を丁寧に再定義し、具
体的な企業におけるイノベーションの事例を用いて
様々な場面におけるイノベーションが記述されている。

【感想】
「コモデティ化からの脱出」ブランド製品、サービスに
おけるマーケティングを考える際には、必ずといって
出てくるキーワードだ。言わば、他社の製品やサービス
と一緒くたにされることを如何にしたら回避できるのかを
考え、実行するのだ。ここで重要なキーワードになってく
るのがどのような点に注目してイノベーションを行うのかと
いうことだ。今まではどのような環境でイノベーションが起
こりやすいかなどといった問題の核心ではなく周辺に着目
したものが多いように感じ、何か腑に落ちない感があった。
そんな時分に出会えた本書。異なる観点からイノベーション
へアプローチをかけている点が新鮮だった。イノベーション
を考える際にどの特性に着目してイノベーションをおこなう
のかといったことが非常に重要になってくる。消費者の声を
元に製品の品質向上でイノベーションをおこそうとするのは
既にイノベーションの前にコモデティ化の第一歩を踏みこん
でしまっている。イノベーションをおこそうと着目する点から
コモデティ化を防ぐべくユニークさが求められるのだ。これは
マーケティングの場面で使う市場セグメント設定における切り
口と似たような印象を受けた。市場セグメントを設定する際に
切り口がユニークでなければ、そのセグメントを基につくられた
製品もユニークさを保てない。この感触を上手く文章にのせら
れないのが歯がゆいが、私的には、今までのもやもやが腑に落
ちた名書になった。


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