どのような環境において、どういった戦略のもとで、
イノベーションが発生しやすいのか。非常に分かり
にくいイノベーションの概念を丁寧に再定義し、具
体的な企業におけるイノベーションの事例を用いて
様々な場面におけるイノベーションが記述されている。
【感想】
「コモデティ化からの脱出」ブランド製品、サービスに
おけるマーケティングを考える際には、必ずといって
出てくるキーワードだ。言わば、他社の製品やサービス
と一緒くたにされることを如何にしたら回避できるのかを
考え、実行するのだ。ここで重要なキーワードになってく
るのがどのような点に注目してイノベーションを行うのかと
いうことだ。今まではどのような環境でイノベーションが起
こりやすいかなどといった問題の核心ではなく周辺に着目
したものが多いように感じ、何か腑に落ちない感があった。
そんな時分に出会えた本書。異なる観点からイノベーション
へアプローチをかけている点が新鮮だった。イノベーション
を考える際にどの特性に着目してイノベーションをおこなう
のかといったことが非常に重要になってくる。消費者の声を
元に製品の品質向上でイノベーションをおこそうとするのは
既にイノベーションの前にコモデティ化の第一歩を踏みこん
でしまっている。イノベーションをおこそうと着目する点から
コモデティ化を防ぐべくユニークさが求められるのだ。これは
マーケティングの場面で使う市場セグメント設定における切り
口と似たような印象を受けた。市場セグメントを設定する際に
切り口がユニークでなければ、そのセグメントを基につくられた
製品もユニークさを保てない。この感触を上手く文章にのせら
れないのが歯がゆいが、私的には、今までのもやもやが腑に落
ちた名書になった。
0 件のコメント:
コメントを投稿