2010年3月23日火曜日

春休みのこと:フランスについて





少し遅れてしまいましたが、春休み2回目のブログアップをさせて頂きます!
今回は春休みの近況報告について。


私は2月末から一週間フランス旅行に行ってきました。
最初にヴェルサイユ宮殿を見学し、その後世界遺産モン・サンミッシェルを観光し、残りの日はパリ市内を観光しました。
たった一週間滞在しただけでその国のことがわかるなんてことは絶対ないけど、それでも私はフランスという国、特にパリという街がとても好きだと感じました!是非みなさんにも一回訪れることをお勧めしたい街です。


よくパリを「芸術の都」という表現しますが、正直あまり実感が湧かない言葉でした。だけどパリを歩いてみると、その言葉の意味が心から理解できるような気がします。
フランスを旅して私がとてもいいと感じたのは、芸術そのものはもちろんのこと、芸術を大事にしようとするフランス人のきめ細やかな姿勢です。金ゼミ内では「デザイン」という言葉がブームですが、私はフランスは「デザインの国」だと感じました。

例えばフランスでは、日本では見かけないところにまで、神経の行き届いたデザインを発見することができます。滑走路の位置を飛行機に知らせるライトがディズニーランドのように七色でキレイだったり、トイレの「大小」が日本のようにつまみではなく、大小二つの大きさの壁のスイッチで表現されていたり。笑
こういう細やかで小粋なデザインがエスプリというのかなあ?と考えました。

また、観光ガイドを見るとわかるのですが、ルーブル、オルセーなど有名なもの以外にも、フランスにはとにかく美術館が多い。しかも、フランスの学生はなんとすべての国立美術館が無料で入れるそうです!(日本人はダメですが、国際学生証があると無料になるらしいです。)事実、ルーブルやオルセーでは広い館内の中で学校の授業と思われるものが開かれていたり、彫刻を前に学生たちがデッサンをしている光景をよく目にしました。
また、滞在中に世界的に有名なパリオペラ座バレエ団の公演をオペラ座に見に行ったのですが、日本で見ると1万円近くはするチケットがなんと当日券で700円くらいで買えてしまいすごくびっくりしました。確かにオケピの真上というかなり見えづらい席ではあったのですが、それでもちゃんと最高級のバレエを見ることができました。当日券には若者も含めて多くのフランス人が行列を作っていて、芸術に対するフランス人の親和性の高さ、同時にフランスという国が、人々に対して芸術にいつでも触れられるようにしっかり配慮していることが伝わってきて、とっても感動しました。
ちなみに私は印象派が好きなので、個人的にはオランジェリー美術館が一番気に入りました。こじんまりしているけど素敵な美術館でお勧めです。(モネの睡蓮もあります。)


パリは中心部に行くほど建物が綺麗になります。普通のアパートも昔の建物をそのまま活かして作られているため、観光名所のように綺麗です。また王宮の近くの公園は現在は市民の憩いの場となっており、美しい建造物とともに人々は生活しています。条例により、高層ビルは中心部にはなく、郊外にのみ建てられていました。
フランスを見ていると、「日本ならではのデザインって、一体どこにいってしまったんだろう?」と切ない気分になってしまいました。こんな綺麗な景色の中で育ってきたフランス人に自信を持って披露できる日本独自のデザインは、京都や一部の地域しか思いつきません。外国人には渋谷の人込みの多さやネオン、秋葉原の近代性や原宿のファッションなんかもおおいに受けると聞きますが、日本人が長い長い昔から守ってきたデザインももっと見せられたらと感じてしまいます。経済発展のために生活から自分たちらしいデザインを切り捨ててしまった日本人。「高層ビルの摩天楼」「工場萌え」なんていった言葉で、それもまた別の「美」として昇華してしまおうという発想もありますが、もっと日本人が生活の中で日本古来のデザインを守っていたら、今とは少し違う街並みが東京にはあったのではないでしょうか。

上海やソウルは東京とほとんど変わらなくてつまらないという話を日本人からよく聞きますが、「経済発展」という観点では東アジアは今後もどんどんと均衡(あるいは日本が衰退)していくことが予想されます。「ブランド戦略」が国際的に力を持つ現代、その中で差異をもたらす可能性があるのが「デザイン」です。日本特有のデザインをどう発展させ、ソフトパワーにつなげていくべきか?日本の政府には、未来のボトムアップを期待し、芸術に対する敷居をフランスのようにもっと下げていってほしいです。今のまま日本の学生が世界に出て行っても、自分の国の芸術やデザインのことをしっかり説明できる者が一体どれだけいるでしょうか?(正直、国立美術館が全部無料がうらやましすぎます・・・!)


パリは少し郊外に出ればアラブ系などの黒人街も多く、全体的な治安としては日本よりかなり悪いです。(スリも多い。)
芸術的で華やかな面がありながら、一方で貧富の格差をもごく当たり前のように抱えているパリ。その社会的に少し不安定な側面も含め、非常に魅力的な国です。違う国を訪れることは、母国とは違う国のモデルを体験すること、またそれによって相対的に自分の国を知ること。海外旅行がまた好きになった素晴らしい旅行でした。


その他。
・フランス料理はどれもおいしい。だけど日本に帰るとやっぱり日本の味に感動する。煮物や味噌汁から伝わる「だしのうまみ」という概念を何故外国人は知らないのか。
・フランス人は、話しかけるとすごいそっけないか、逆にめちゃくちゃ気さくで、知ってる日本語でからかってくるかの両極端だったと思う。
・女の人がみんなモデルのように綺麗。
・美術館で自由に作品の写真をとっていいことが驚き。(ダメなところもある)

2 件のコメント:

  1. 他大学の学生です。いつも興味深く拝見させていただいています。

    >>(日本人はダメですが、国際学生証があると無料になるらしいです。)

    これは知りませんでした!貴重な情報ありがとうございます!!

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  2. 匿名さん
    ブログ読んでくださってありがとうございます!コメントがあると、自分の記事じゃなくても嬉しいです。


    もえ
    観光で行くと短い期間にいろいろ吸収しよう!って思うからすごく濃密だよね。日常のことはあんまり気付かない!私は外国人と東京を歩くだけでも新たな発見あったし、もえのブログを読んでまた、なるほどなって思いました!

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