2010年3月15日月曜日

おすすめの本

 小阪修平『そうだったのか現代思想』

 高校時代好んで良く読んでいました。当時一番印象的だったのは、“知識”というものがどのように日常生活に於いて役立つかということが書かれている部分です。

 かつては“知識”は万人が持っていなくてはならないものだったが、高度成長期以後の大衆文化が到来してからは“知識”は持っても持たなくてもいいものになったそうです。

 かつては社会的地位に直結していた“知識”の有る無しが、現在では有っても無くてもよいものになった。むしろ、“知識”は義務教育により無理矢理詰め込まれるものになった。
そのような“知識”を、それでもなお自発的に追い求める理由があるとすれば、それは“知識”は“思考の省略”を導くからだ、と彼は言っています。

 人間は自分の頭の中だけで物事を考えていると、時に突飛な思考に陥ってしまう。しかし、“知識”を持っていることで、自分の思考の助けにすることができ、突飛な思考を回避することができる。

そのために私たちは本を読み、“知識”を詰め込むことを忘れないのだそうです。

今読み返してみると当たり前のことのように感じられますが、気持ちが弛んでいたこの時期に読み返すことができて良かったなと思いました。

1 件のコメント:

  1. 「知識は検索できる時代だから、考えることが大切」っていう言葉になるほどなって思うけど、それも体系的な知識があってこそ、だよね。ってこのブログを見て思いました!
    いくら便利だからって、自分の頭を使わずに、考えることにも覚えることにも億劫になるのが一番良くないなって思う。(自戒をこめて!!)

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