最近、航空機業界について調べている。今話題のエアラインではなく、航空機製造の方だ。日本で40年以上前に頓挫した国産航空機の製造が再び始まろうとしている。国産航空機製造の歴史をよく知るため本書を読んだ。
YS−11は国産最後の旅客機だ。この生産は技術的には成功とされ、経営で失敗したといわれている。当時の状況を見ると無理もないように思えた。
まず、日本は戦後のGHQの命令により10年程航空機を作る事を許されなかった。また、民間機の製造経験もほとんどなかった。経済性と安全性が異常なほど求められる民間航空機製造にとっては致命的とも言えた。実績がなかったからだ。結局赤字がかさみ生産中止となってしまった。
YS-11が失敗した点は2つあると思う。
消費者目線がかけていた事、無理にラインナップを増やした事だ。
YS-11にはエアコンの効きが悪いなど乗客の視点を無視していた。そのことが改善要求へとつながり、アフターサービスに追われたというのが失敗の一つの原因だと考えられる。また、ラインナップを増やしたことにより規模の経済がうまく働かなかったように思う。足下を見られていたため仕方ない部分もあるのは確かだが。
最近再び国産旅客機製造の計画がある。いま取り組まれているMRJの隆盛に期待したい。
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