ゼミで扱って以来、twitterにハマりきっている自分がいるのだが、自分以上にtwitterにハマっており、twitter専門家といえばこの人!とも言うことが出来る津田大介氏の著書。本書はtwitter入門書としても良書だと思うし、twitterでこれからのジャーナリズム、政治が変遷していくのかを考える良いきっかけにもなる。
twitterの強みはまさにリアルタイム性にあるだろう。本書にも書かれていたが、中国四川省の大地震、インド、ムンバイでのテロなど、様々な大事件の情報がtwitterを通じて第一波として流れた。
従来のジャーナリズムは情報を書き出し、編集せねばならない関係でどうしてもtwitterのリアルタイム性に勝ることは難しい。では、twitterが従来の報道の形に変わるジャーナリズムの主流になるのかと言うのかというとそんなことはない。今のメディアがすべきことはたくさんある。それは筆者も述べているように、
「今メディアやジャーナリズムが試みるべきは、インターネットを中心とした情報環境の変化に抗うのではなく、公共財化する情報にいかにして信頼性を与え、その信頼性をいかに「金」に変えるかという試行錯誤である。」
「「0.5→1」の部分でどうマネタイズされるかを考えるべきだろう。」
といったことが重要になってくるに違いない。ジャーナリズムもそうだが、新聞や雑誌など、紙媒体まで話を広げると、電子書籍の登場で紙媒体が危ない!といった議論が行われているが、結局は紙媒体はなくならない。
情報は確かに無料でいくらでも落ちている。しかし、紙媒体の重要性は、その情報を編集し、見やすさ、わかりやすさ、そしてその情報に対する編集者や作家の意見を付け加えて情報を整理するというところにある。
そういった意味では、ジャーナリズムが行うべきこともその0.5次情報にいかに付加価値をつけ、1次情報として発信していくかということだ。その付加価値を高めるためには各記者、ジャーナリストがジャーナリズムということを再考すべきである。ジャーナリズム2.0を考えるべき時代に来ているのだ。
話はジャーナリズムから一気に変わって、先日、ミッドタウンで行われていた「Design Tide Tokyo」に赴いた際にtwitterを利用したおもしろいイベントでのサービスを見かけた。
これは会場の入り口に設置されているモニターなのだが、各ブース内での展示物を自分がどう利用したいか、どのようなシチュエーションで利用できたら嬉しいか、展示物を見てどう感じたかなどをハッシュタグをつけてつぶやくと、モニター上にリアルタイムで表示されるといったサービスだ。
展覧会などは、基本観覧者は展示物を見るだけの一方向的コミュニケーションスタイルが基本だった。しかし、twitterの登場で、リアルタイム性をもった双方向的コミュニケーションを行う敷居をぐっと低くし、簡単に楽しく行えるようになったのだ。
実際にブースにはその展示物を作ったデザイナーや企業の方が来ていて、その商品の改良策を実際に消費者の声を聞きながらも行うことが出来る。新たなビジネスモデルとしての商品発表会(Design Tide Tokyoは単なる商品発表会ではないのだが)でのtwitter利用がもっと進んでいけば自分たちの生活がより楽しく、有意義なものになるだろう。
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