2009年12月3日木曜日

【ホンヨミ!1204②】How Digital Content Resellers are Impacting Trade Book Publishing【斉藤

How Digital Content Resellers are Impacting Trade Book Publishing/ Neil De Young

電子書籍が出版社に与える影響についての論文。アマゾンの電子書籍プラットフォームとしての可能性について。

【要点】
・アマゾンの2005年からの買収劇
 →出版業界のビジネスモデルにパラダイムシフトをもたらす。デジタルコンテンツ分配者としての性格を帯びるようになる。アマゾンという既存のプラットフォーム(ユーザーはこれで最初から相当確保できている)
に加え、買収戦略により、・出版社・モバイルプラットフォームのソフトウェア開発者・コミュニティーネットワーカー・プリンター・製造者 の役割を抱き合わせるようになった。

・アマゾンは、規模とデバイスによって儲けている。
→本一冊出版社が提供するデジタルリストから購入すれば、27.95ドルで、出版社にはそのうち13.98ドル払われる。しかしキンドルでは9.99ドルで売るため、アマゾンは実質4ドルの損ということになる。よってアマゾンの収入源は電子書籍の場合、キンドルというデバイスから得ていることになる。

・アマゾンの書籍の売り上げのうち、昨年は35%をキンドルの電子書籍が占めた。
→一昨年の占有率はわずか6%だったが、キンドルの機能がさらにバージョンアップしたキンドル2が発売され、さらにアイフォン向けのアプリができたことによって飛躍的に伸びた。

【感想】
ユーザーが利用しようというインセンティブを生み出すことのできる電子書籍プラットフォームは現在日本には存在しない。データからもわかるようにこのアマゾンというプラットフォームは、ユーザーのインセンティブをかきたてる工夫を持っている。それは、プラットフォームとしてコンテンツの提供に終わるものではなく、さまざまな性格をもち合わせているからではないだろうか。コンテンツにしても、配信後もユーザーが実用的に読めるようにとキンドルのようなデバイスが存在する。

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