2009年8月1日土曜日

【ホンヨミ!】フューチャリスト宣言【岸本】

 「昔より色々便利になったからさー、Googleに飲まれておもいっきりやろうよー」みたいな気概を感じた。「楽しくてしょうがないという人しか勝てない」というある種のシリコンバレーの気風は確かに一理ある。しかし、各人が自由気ままに行動して社会全体が必ず上手く行くとは到底首肯し難い。こうした「好きこそものの上手なれ」パターンの人間はこれからどんどん登場するだろう。そしてインターネットがそうした人間に寄与する部分が大きいのも事実だ。だが、社会全体を見つめ直した時にこうした各人が上手く利害を調整できる大きな制度枠組みが必要になってくる。こうした制度設計が社会の中で必要とされているのも事実だ。

 とはいえ、著者二人はやっぱりすごい。どんなに反対意見をぶつけられてもひたすらオプティミスティックに自分のやりたいことを極めようとする。この楽観性がどんな時代を生き抜くにも必要であるのではないか。この本の中ではあくまでウェブ時代に触れるに留まっているが、結局のところ楽観的に生きることがこの二人の最大の強みであると言える。「ネットとの付き合い方がその人の個性」と本文中にもあるが、まさしく根っからの楽観主義者であるからしてこの二人は上手く行ったんじゃないか。

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