『ブランド大繁盛』 堺屋太一 NTT出版
筆者によると、ブランドは①伝統的ブランド②大量生産ブランド③知価ブランドに分けられる。
物理的な価値ではなく、知恵を働かせることによりブランド化して成功している新たな枠組み、③「知価ブランド」について分析している。
消費者は知価ブランドの”イメージ”や”経験”に対してお金を払う。たとえば成人女性の二人にひとつの割合で持っているルイ・ヴィトンは「知価ブランド」を確立することにより、大量普及と高級感を両立させている。
上記だけでなく、多方面の企業の具体例が挙げられているため、理解しやすかった。下記の3箇所が特に印象に残った。
「『味が変わらない(品質は同じ)』というのは一見凄く耳に心地はいいが、実際には「今」の時代の消費者がおいしいと思う味は変わっているのだ」(p.28)
テーマパークは「当初からありえない時空間を創造する、『ウソらしきウソ』」(p.140)
「知価ブランドは、ブランドになりきれば素晴らしい『文化』である。しかし、ブランドと認知されるまではバカげた道楽にすぎない」(p.158)
さきほどのヴィトンの例では、ヴィトンは「ちょっと無理をすれば買える」値段に設定されていることもポイントの一つだが、それは「日本国民の8割が、中流を自認している」ということらしい。さみしい結果だが当たっていると思う。企業側は、必要ではないものも必要と思わせることが求められている中、いかに消費者の視点に立てるかが成功をにぎるのだと思った。
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