今まで組織を中心に据えて組織論、経営論を見てきたので、今度は個人視点でどう振る舞うべきかを知りたくて借りました。著者のお二人は日本での無難なキャリアを選ばずに果敢に世界を飛び回った「世界級キャリア」の持ち主です。
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世界はフラット化している。このフラット化の流れの中では従来の日本人的な組織に従属した働き方は通用しない。物事を大局的に見て周囲に流されず、責任感や当事者意識を持った個人として活躍し、組織は己の力を発揮する場として捉え、自分の仕事を極めようと常に努力する。この姿勢が重要であると著者は説く。
もちろんこの姿勢は組織をないがしろにするものではない。本当のプロは世界中様々な人々と意見交換をするために、物事を分かりやすく説明することや協調を重視する。
またこうした姿勢を支えるものとして「現場力」(実践力)、「表現力」(コミュニケーション力)、「時感力」(タイムマネジメント力)、「当事者力」(巻き込まれ力)、「直感力」(コンセプト化力)の5つの力が重要であるとしている。
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この本で一番参考になったのは、20代の過ごし方だ。「多様な人と接する」「小さな失敗を数多くする」「自分のやりたいことをやる」「早いうちに異文化体験をする」など、学生時代にすべきことから「旬を逃さず、まずは飛び込む」「一流の仕事ぶりを間近に見る」「場を変える」などのキャリア形成に役立つ具体的な方策が著者の体験を交えて書かれている。英語がしゃべれることはさほど重要ではないということも励みになった。なんだかんだでこの本もやはり、自分が一個人としてどれだけ社会・世界にmeaningfulでいられるかということを常に意識して、自分にしか出来ないことをやるということが強調されていたように感じる。本当に優秀な個人は組織の上手い「まわし方」とその振る舞いを知っているのではないか。などとも感じた。
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