パラダイス鎖国とは、大きな国内市場・高い生活水準により海外に目を向けなくなってきた日本の状態を表す筆者の造語である。このパラダイス鎖国により、外界の変化についていけなくなったり、高品質・プレミア価格のジャパンブランドがどんどん崩れ競争力を失ったりなどの問題が出てくる。
筆者の専門は携帯電話端末で、なんとなくガラパゴス現象についての本なのかな?と考えたが、産業といった規模の大きいことについて語っているのではなく、日本に住む一人一人の個人がどういう心構えでこのパラダイス鎖国に立ち向かえば良いのかということを示しているようだ。そこで印象的だったのが、シリコンバレーの文化を紹介していたところだった。シリコンバレーは試行錯誤性を容認する文化があり、それはつまり世の中に変化を起こす新しい考えを持つ人や分野を受け入れる社会である。そのような新しいモノが試行錯誤できる社会こそイノベーションを生む社会であり、鎖国を解くカギであるであると言っている。
日本にもこのような文化をネット上の「サロン」や「運動」によって刺激的な人との出会いの機会を与えたりすることからはじめるべき、といったことが述べられていたが、果たしてそれだけで本当に十分なのか疑問に思った。本書は結局は意識改革が重要だと聞こえる部分もあり、それだけでは責任放棄になってしまう。上(制度面)から変えていくことも併せて必要だと思う。文中で、政府が産業に介入することについて「次の産業を潰すことになる」と述べているが、日本はまだこの段階に来ていないのではないか。最低限のベースとなる制度面は政府にしか変えられない。
最後に、この本は非常に読みにくい文章だった。
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