2009年5月7日木曜日

ブランド 価値の創造

本書では、ブランドが消費者に選択された結果できあがるのか、もしくはマーケターが作り上げるものなのかを焦点に議論している。
ブランドは、1つの統一性をもった宇宙を確立しながらも外部に出会うたび、変容するダイナミズムをもち、時間と空間を超えた価値をもったものであると筆者は定義している。
ブランドには様々なものがある。例えば、花王の植物物語のように、使用機能、技術にも従属せず、「植物物語」というブランド名のみが統一性を与えているものやペンタックスなどレンズという技術がそのままブランド名になってしまったものもある。


この本を通して、ブランドは不思議な力をもっていると感じた。ブランドには実体がないが、製品という実体を定義し、製品の機能を超えて消費者の購買意欲をかき立てるからだ。
イッセイミヤケがよい例である。イッセイミヤケというブランドはスタイルがまったく異なる製品を世に送り出している。見た目には統一性のない商品が目立つ。しかし、「一枚の布」という一貫コンセプトも持ちつつ、スタイルを変えているため人々から愛され続けているのだと感じた。

スタイルが固定化したブランドは、流行が過ぎれば廃れてしまう。幹となるコンセプトは変えずに、変化していく勇気を持つ事が愛されるブランド作りの秘訣のようだ。

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