『ご冗談でしょう、ファインマンさん(上)(下)』R.P.ファインマン
1965年、ノーベル物理学賞を受賞したアメリカ物理学者のユーモアあふれる伝記。
彼がファインマンであった理由を私があげると、こうなる。
彼は
・お金より名声よりも、物理が好きだった
・理論ではなく、実際に使える物理が好きだった、そして人よりもできた
・常に好奇心が旺盛だった
・相手がだれでも物おじせずに物を言う人だった
・人を驚かせるのが好きで、負けず嫌いだった
・女好きだった
そして、その結果彼の周りには彼を助ける人がたくさんいたこと、はとても大きいと思う。
怖いもの知らずで目がきらきらした少年のようだけれど、頭の回転が速くて知識がとても豊富でユーモア大好きという印象を受けた。彼はあまりに高い報酬の仕事を、自分に合わないと断ったりもしている。また、相手がだれであれ物理の話になるとそんなことは忘れてずばずばと意見を述べる。そんな人柄だからこそ、上にもかわいがられ(もちろん当人はそんなことを狙っていない)良い環境で研究や勉強ができた。
もう一つ、彼は教育の仕事もとても好いていた。研究の傍ら学生を前にして講義を行うとき、試験の点数も素晴らしく、教科書の丸暗記には長けているのに同じことを実践的にして聞くと答えられない学生たちを目の当たりにして驚愕してしまう。彼は使える物理が好きで、そこにこそ面白さがあると思っていたから。そこで彼は質問することと自分の頭で考え手で実践することを口を酸っぱくして伝える。これは今の自分にもあてはまることだと思う。法律でも丸暗記ではなく自分の日常生活にも当てはめて考えることでぐんと面白く、理解も深まると思った。
彼は三回結婚し、それ以外にも女性が好きというエピソードは多数登場した。最近歴史上の偉人を読んでいて思うのは、偉人ほど女好きではないかという仮説。ゲバラやマンデラなど、日本と外国の違いもあるかもしれないが、離婚はそれほど珍しくないし、一度離婚してもまた他の人と、結婚に至るような恋愛をするんだなと思った。昨年の学部の授業で、教授がSTに「君、恋愛をしなさい」と言っていた。まだ検証が必要な仮説だが、恋愛は人生を豊かにするのかもしれないと思った。
ファインマンの魅力は実際に読んだほうが伝わるけれど、こんなふうに生きたいと素直に思えるような人物像だった。
2010年1月5日火曜日
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