世の中に数多有る成功のノウハウ本とは真逆の、反面教師的な一冊。
本書の著者であるコカコーラの元社長ドナルド・R・キーオはMBAなどとはほど遠い出自の人で、海軍に入隊後、一応大学は出たものの(哲学科)、地元のアナウンサーをやったり、食品会社に務めていたりしていました。
この食品会社がたまたまコカコーラに買収されたためコカコーラに入社したというまさしく「傍流も傍流」な出自の人でした。
法則は以下の通りです。(11項目あるのはご愛嬌)
法則1(もっとも重要) リスクをとるのを止める
法則2 柔軟性をなくす
法則3 部下を遠ざける
法則4 自分は無謬だと考える
法則5 反則すれすれのところで戦う
法則6 考えるのに時間を使わない
法則7 専門家と外部コンサルタントを全面的に信頼する
法則8 官僚組織を愛する
法則9 一貫性のないメッセージを送る
法則10 将来を恐れる
法則11 仕事への熱意、人生への熱意を失う
これをまとめるならば
リスクをとる(1, 10)
(リスクをとるために)
- 会社をまとめる(9, 11)
- 社内の意見を聞く(3, 6, 7)
- 変化に対応する(2, 4, 8)
- 対外的な信頼を得る(5)
という感じでしょうか。反面教師から見ても導きだされる結論が似てくるということが興味深いです。世界の大企業はやはり理にかなってました。
ただ、法則5についてはやや異論があって、行動によって社会全体のルール自体を変えていくGoogle的な方法論が(特にネット上では)有効なのではないかと思います。対外的な信頼を得ることが目的であって、反則かどうかは手段に過ぎません。信頼ベースであれば社会のルールすら変えることが出来るのではないでしょうか。
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