2009年12月10日木曜日

【ホンヨミ!1211①】日本の政治経済を考える【斉藤】

 学問のすすめ21 日本の政治経済を考える 第二章:地方分権改革は進んだか

地方分権改革は進んでいるのかどうか・・・という議論がなされる。実は地方分権改革は私たち市民の見えないところで以外にも進行している。この第二章を書かれた片山善博教授は、この「市民の見えないところで」という点に問題があると指摘している。

地方分権改革としてなされたことは、

・権限委譲(国や中央省庁が持っていた判断権や決定権を、自治体に移す)
・三位一体改革(政府が使い道を指定するヒモ付き補助金をなくし、自由に使える一般財源を与える)

→自治体が、自治体ごとに見合った判断・決定・運営ができるようになる

 一見順調に進んでいるかのように見える改革。地方分権改革とは、本来その地方で暮らす市民が満足するための市政を行うことを可能にするための改革であるのに、実際はその市民自身が、改革が進行している実感できていないのは言うまでもなく、認知すらできていない状況だ。

 この改革は裏を返せば、県・市長の力が強くなるということである。この「長」らに対して、市民がなんらかのチェック機能を持って、自分たちの意見を反映させることができなければ、事態は変わったことにならない。しかし、現段階でこのような市民の発言力を強めたところで、衆愚になってしまう懸念があるため、そのような改革はなかなか進まないとのことだ。 衆愚にならないためには、そもそも市民の「考える力」を増強させなければならず、それは政治に対する意識であったり教育面の問題につながってくる。
先日、片山研究会のオープンゼミに伺ったところ、「若者の政治意識を高めるためには」というテーマで議論が行われていて、確かに最も地方自治の根底としてこれから問題としていかなければならないことだと感じた。

0 件のコメント:

コメントを投稿