『座右の諭吉 才能より決断 』 齋藤孝
本書は『福翁自伝』などの福沢諭吉の著書をもとに、福沢の人間性や人生観、勉強法を紹介している。
福沢の人間性・気質についての記述はどのくらい確実な情報なのか疑問だが、福沢の勉強法に関するはなしはとても参考になった。
なかでも「勉強法の根幹は自力主義」というはなしが印象的だった。福沢(と、著者齋藤氏)の考えでは、人に教えてもらっているうちは勉強ではなく、真の勉強とは学ぶべき事柄を自分で決め、自力で徹底してやっていくことだ。このとき大切なことは、自力で学問をやれる素地を作ってしまうことだという。確かに自分の経験からも、高校までの受験勉強と大学に入ってからの自由な勉強は質が全く違うし、理解の面でも、自分で学ぶ対象を決定するという点でも、後者は圧倒的に前者よりも難しいと思う。
また同時に福沢(と齋藤氏)は勉強法として、本などを書き写すことがとても大切であり、福沢は写本によって日本語の書き言葉の訓練が出来、豊かな語彙を持つことができたと書いている。私個人の体験では、黒板や教科書を書き写していい結果に終わった記憶がないため聊かこの方法には疑問を感じてしまうが、最近とくにボキャブラリーの乏しさを痛感しているため、一度豊かな語彙を獲得すべく、試してみようかと思う。
上記以外にも様々な勉強へのあるべき姿勢について書かれていたので、一度実践してみようと思う。そしてその前に、入学式で配られて以来本棚の隅でほこりを被っている『福翁自伝』を読もうと思う。
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