私はいつも日本の携帯電話の技術は素晴らしいのに、なぜ世界でシェアが伸びないのだろうと考えていた。この本では、原因に日本企業の営業・マーケティング力やリーダーシップの欠如が指摘されていて、なるほど、と納得させられた。携帯でシェアを伸ばしているサムスンの営業方法は「即断即決」だそうだ。たしかに、日本の企業は一般的にそういったことが苦手なように思える。会議の場で上の意見を仰いだりしては、他からの信頼は得られない。無謀なのとは訳が違うが、決断力はやはり大切である。
初めはただの通信機器だった携帯電話が、iモードを初め、カメラがついたり、高音質で音楽を聴けるようになったり、テレビまで見れるようになった。常に私たちの傍にあるハイテク機器は、たいていが携帯電話である。筆者は、携帯電話がネット事業、金融企業、小売り事業といった周辺産業へと事業拡大することはますます加速していくはずであると言及していて、わたしも正にその通りだと思う。先日のpokenの話ではないが、携帯に名刺が統合する日も近いと思う。
ただ、この本が刊行されたのは2006年であるが、当時とは変わりソフトバンクがシェアを伸ばし始めた。やはり現状に満足せずに、顧客の心を掴み、発展を続けないと、生き残れないのだなぁと思った。
また、最近どの本を読んでも、「信頼」という言葉が目に付く。企業にも、イノベーションにも、商品にも、「信頼」が大事なのだなと思った。
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