2009年10月4日日曜日

【ホンヨミ!】プレゼンテーションZen【金光】

『プレゼンテーションZen』 ガー・レイノルズ

・明確かつシンプル
・アナログも良いよ!

この本がスライドについて言いたいのはこの二点だと思った。
シンプルとは言葉のまま。スライドはなるべく言いたいことをそぎ落とした形が見やすく、見ている人にとっても集中して理解できる形だということ。余計なことをカットする作業は作り手にとってはとても労力を要することかもしれない。しかしそのプロセスによって自分自身の理解を整理することになるし、また聴衆にとっても準備不足のつまらないプレゼンを聞いて時間を無駄にせずに済む。
このことは、「誰のためのプレゼンなの?」かよく考える、というスライドを作る前提の心構えとして書かれていたことにもつながっている。
また、時間制限や期限などなど作業の過程にはさまざまな制限があるのが現実。しかし、その制約はむしろ味方!で、制約から生まれる創造性も多くある、とあったのにはなるほど!と思った。言い訳になる要素はない、ということ。

二点目のアナログは、pptを作る前のプロセス。スライドは、あくまでも自分が伝える時に便利な補助ツールであり、自分の頭の中を整理するときには、PCの電源は入れず紙とペンで自由に考えを膨らますほうが良い。これにははっとさせられた。スライドの技術とか、見やすさより何より、「pptをなぜ使うのか?」という当たり前の根本的なところを初めて考えた。スライドを見やすく作るより、自分が言いたいことを伝えることに重きを置かなければいけないのに、今までの自分は本末転倒になっていた気がした。

この本では駅弁や俳句、柔道などさまざまな日本の文化を引用して説明されている。日本人昔から慣れ親しんでいる文化から、プレゼンテーションに活かせる要素が多くあるということ。しかし、日本人のプレゼンがとても見やすく優れているか?といえば、そうではない(少なくともこの本でいう良いプレゼンとは異なっている)。矛盾しているというのか。自分自身がそうだったように、多くの人が、新しい道具を自分流に(日本風に?)アレンジして使いこなすのではなく、その効果的利用を解釈することなく飲まれているのかなぁと思った。


ちなみに、どうでもいいことですが、もし私がこの本の筆者なら、この本の日本訳版の題名は『プレZenテーション』か、『プレ禅テーション』にしたいな、と思いました。

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