2009年6月5日金曜日

【書評】ルイ・ヴィトンの法則【村山】

本書は日々、熾烈な競争が繰り広げられているラグジュアリー市場において、ルイ・ヴィトンをグループ企業傘下に持つLVMH(モエヘネシー・ルイ・ヴィトン)がいかにして、成功を収め、この市場で確固たる地位を築いたのかについて書かれている。そもそも、LVMHという企業はルイ・ヴィトンとモエ・ヘネシーという二つの会社が合併して生まれた企業で、その傘下には50を超えるブランドが存在する。
大事なことは、ルイ・ヴィトンのビジネス戦略を理解することだと思う。そこで、簡単にルイ・ヴィトンの企業戦略を紹介したいと思う。ルイ・ヴィトンが推進する戦略は、ずばり「マルチブランド戦略」である。このマルチブランド戦略とは、他のブランドを買収し、そして買収したブランドの成長・発展を図り、グループの利益を蓄え、その蓄積された利益をベースに財務の安全性を保ちながら、さらなる企業買収によってグループをいっそう強化なものにしようとする戦略のことである。ルイ・ヴィトンはこの「マルチブランド戦略」を繰り返して、企業を強化し、利益をあげてきた。ただ、特筆すべきは、傘下に持つ多くのブランドによって得た莫大な利益(総売上高)の4分の1は、ルイ・ヴィトンによって得られたものであるということだ。それだけ、ラグジュアリー市場におけるルイ・ヴィトンの人気が高い証拠でもある。

面白かったのは、ルイ・ヴィトンがテレビCMを行わないことにつて。言われてみれば確かにテレビでルイ・ヴィトンのCMを見たことはない。その理由は、ブランド自体が普段の生活や日常から隔絶された、憧れの世界を人々に抱かせる品を持ち合わせるべきであり、日用品などのコモディティー商品とは差別化を図らなければならないということらしい。ブランドの世界は単に広告を作るだけでなく、緻密な戦略が必要とされるということに非常に納得できた。

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